広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法 38 マスコミをファンにする(具体策)

広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法
38 マスコミをファンにする(具体策)

具体策をお伝えしましょう。

①お礼メール(前出)
②ニューズレター
③定期キャラバン
④メディアリスト更新
⑤広報年間計画
⑥情報交換会
⑦他社情報提供

②ニューズレター
最低でも月1回プレスリリースを出してください。プレスリリースするほどのネタがないなら、小ネタを集めてニューズレターを作成し、記者さんに近況を報告してください。こまめに情報提供して、忙しい記者さんに忘れられないようにしてください。
人は初めのうち興味関心がなくても、何度か接触するうちに強い印象を受け、好感を抱くようになるという心理学の法則(ザイオンス効果=単純接触効果ともいう)があります。
これを有効活用しましょう。

実際、「合食」時代、仲良くしていただいていた業界紙の記者さんにアドバイスされたことがあります。
「中島さん、競合のA社さんは毎週プレスリリース送ってきますよ。大したネタじゃないのでたまにしか取り上げることはありませんが、合食さんも春と秋の新製品のときだけではなく、最低月1回でもプレスリリースを出した方がいいですよ」

そういえば「合食」で初めて広報を担当することになり教えを乞うた神戸の一流有名企業の名物広報部長も
「ウチは広報部全員に最低週1本プレスリリースを書かせていますよ」
とおっしゃっていました。

広報上手で有名な近畿大学も、年間500本近いプレスリリースを出し、そのうち半数近くがマスコミ露出を獲得しています。逆に言えばあの近大でも半分以上はボツなのです。

早速毎月ニューズレターを出すことにしました。第一号で即業界紙の掲載が決まり、驚きました。記者さんも常にネタを求めていることを実感しました。自分の個人的な判断でこのネタは大したネタではないと勝手にボツにしてはいけない、記者さんから見ればニュースバリューがあるかもしれない、どう見てもつまらないネタ以外は送った方がよい、と学びました。

③定期キャラバン
地方の広報担当者の方、必ず最低年2回くらいは大手マスコミが集中する東京へ出張し、日頃お世話になっている記者さん、編集者さん、ディレクターさんを訪問してください。

私の場合は、神戸の「合食」時代、主に東京にしか編集部がない大手雑誌社さん、業界紙・専門紙さんを10社程度一泊二日で巡回していました。1日あたり5~6社大量の商品サンプルを両手に抱えて回るので、夕方にはへとへとになります。

何度も繰り返しますが、マスコミの記者さん、編集者さんも人間です。血も涙も人情もあります。地方からわざわざ大量の荷物を抱えて新商品情報を持ってくると言われれば、かわいそうだから30分くらいなら会ってあげようかということになります。暑い日に汗だくになりながら、雨の日にずぶ濡れになりながらやってくるのを見たら、30分の予定が1時間になったりもします。帰り際には、エレベーターホールまで送ってくださって、「大変ですね」とねぎらってくれもします。最後は人と人とのおつきあいです。

これを続けていると、こんなに熱心ならいいネタを持ってきてくれたらぜひ取り上げてあげよう、そう思ってもらえるようになっていきます。やはりリアルで会い、世の中の役に立つ商品を世に伝えたいという情熱を伝えることが大切です。コロナでリモート取材がメインになっていますが、できるかぎりリアルで会う機会を作りましょう。

④メディアリスト更新
毎年4月と10月など、会社によって違いますが、マスコミも人事異動があります。新聞社は3年くらいで転勤になります。ようやく仲良くなったころに異動というのはがっかりもしますが、また新たな記者さんと出会えるチャンスでもあります。仲良くなった記者さんもいずれはまた偉くなって本社に帰ってきたりします。人と人とのおつきあいですので異動になってもそれで関係が終わりになるわけではありません。引き続き良好な関係をキープしておきましょう。異動の時期には知り合った記者さんにお聞きし、もし異動される場合はこれまでお世話になったお礼をお伝えするとともに、後任の記者さんのお名前を教えていただきましょう。

私たち田舎の中小企業にはマスコミの方から担当変更のご挨拶なんて来てくれません。こちらが気をつけておかないと、いつのまにか転勤されていたということが少なくありません。こちらから異動情報をつかみにいき、メディリストを更新しておきましょう。
この異動の時期というのもある意味チャンスです。コロナで大々的にはできませんが、歓送迎会で記者さんとの絆を深めましょう。

⑤広報年間計画

あなたの会社の年間予定・経営戦略・商品戦略・広告販促戦略に基づき、広報年間計画を立てましょう。

「合食」の20●●年広報年間計画
4月 組織改編・人事異動
6月 株主総会・決算発表
9月 秋の新商品発売
10月 人事異動
10月 中期経営計画発表
10月 産学連携発表
11月 上半期決算
1月 年頭所感
2月 全社商談展示会
3月 新年度戦略・計画発表
3月 春の新商品発売

⑥情報交換会
⑦他社情報提供

広報担当者は随時親しくなった記者さんと情報交換し、自らの知る自社情報・業界情報・競合他社情報を提供してください。特に業界紙・専門紙の記者さんは情報を求めていますので、情報交換に応じてくれると思います。こちらが自社情報を提供すれば、彼らも業界情報・競合情報を教えてくれます。あくまでプライベートなお友だちではないので、そこはGIVE&TAKEです。こちらも記者さんの興味を惹きそうな情報を持っていないと相手にしてくれません。そのためには常に自社の情報をつかんでおかないといけません。

社長はじめ経営トップ層と信頼関係を築き、社外秘の情報もいち早く知っておく必要があります。個人事業主や中小企業の場合、自分がトップかあるいはトップに非常に近い関係のはずですので、情報はつかみやすいと思います。注意すべきはどこまで記者さんに自社情報を話していいかという境界線です。基本オフレコは通用しないと思っておいてください。ふだんからトップ層とコミュニケーションを取り、言ってはいけない境界線をつかんでおき、言ってもよいギリギリのところでとどめておいてください。
きわどい話になる可能性がありますので、情報交換は自社内か業界関係者が来ない場所を選んで行ってください。

業界紙・専門紙の記者さんは、その道のプロですので、表に出てこない競合他社情報をたくさん持っています。とても勉強になりますので、ぜひ積極的におつきあいしてください。

あなたの会社が万一不祥事を起こしたとき、誠心誠意正直に説明して協力依頼したとき、小さな記事でとどめてもらえるかどうかは、彼らの匙加減ひとつにかかってきます。彼らにあなたの応援団になってもらいましょう。あなたは記者さんにとって会社の顔です。会社の代表です。あなたのファンになってもらうということは、あまたの会社のファンになってもらえるということです。自覚をもって行動してください。

“真摯に愚直に誠実に”

それが広報担当者いや人間としての私の行動指針です。私の知る広報担当者の皆さんは皆そんな方ばかりで多くの記者さんに愛され、それぞれの会社で大活躍されています。いつも私はお手本にしています。

次回に続けます。

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