広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法 36 人と人とのおつきあい

広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法
36 人と人とのおつきあい

記者さんも生身の人間です。最後は人と人とのおつきあいです。コロナなのでやりにくいですが、できる限りリアルでおつきあいした方がよいと思います。

マスコミに載ったらお礼のメールをしましょう。仲良くなったら電話でもいいですが、そうでなければお礼のためだけに電話するのは迷惑です。そのとき、お陰様で商品が売れましたと言ってはいけません。記者さんは宣伝したと言われたくありません。特定の企業をえこひいきするのはご法度です。公平公正中立が報道の大原則です。

ですから、お陰様で多くのお客様のお困りごとお悩みごと解決に役立ち喜んでいただいている、と言わなければいけません。マスコミは企業の宣伝のためではなく社会に消費者に役立つ情報を届けるのが使命です。その役割を果たしていただいていることを伝えてください。もちろん本音では儲かって嬉しいわけですが、それをストレートに伝えると嫌がる記者さんもいます。貴社を宣伝するためにやったわけではない、というわけです。そのあたりの心理を配慮してください。

あなたの記事が世のため人のために役立っていると言われて嬉しくない記者さんはいません。ペンの力で世の中をよくするために記者になったわけですから、そこを感謝されて嬉しくないわけがありません。必ず感謝の気持ちを伝えてください。

くれぐれも誤解しないでください。記者さんはあなたの商品サービスを宣伝してくれる便利な販促ツールではありません。世のため人のために報道の仕事を志した正義の味方です。生身の一人の人間なのです。ですから人対人としておつきあいしてください。信頼関係を築くようにしてください。一見利害が反するように見えます。あなたは自社の商品サービスを宣伝販促したい、記者さんは世の中のために有益な情報を報道したいわけですから。でも考えてみてください。あなたの商品サービスが本当に世の中のためになる商品なら、記者さんは報道したくなるはずではないですか?世の中のために有益な情報を流したいわけですから。

もしあなたの商品サービスが取り上げてもらえないなら、あなたの商品サービスがそもそも弱いのではないですか?あまり世の中の役に立たないのではないですか?残念ながらそんな商品サービスは報道されません。もっと言うとそんな商品サービスはそもそも売れません。報道されるような、世の中の役に立つ商品サービスを作りましょう。そうすれば必ず売れるはずです。マスコミに載らなかったのはむしろそこに気づくチャンスを与えてもらったと思って商品サービスの改良改善・新商品サービスの開発に役立ててください。

あなたが本当に世のため人のために商品サービスを改善改良、新商品を開発していけば、必ずあなたの商品サービスがマスコミに載る日が来ます。なぜなら記者さんはその情報を求めているからです。世の中の役に立つ商品サービスの情報なら大歓迎だからです。でも信頼できる人からその情報を教えてほしいのです。世の中には情報を盛って盛って厚化粧して自社の商品サービスを売り込もうとする輩で溢れています。ですから信頼できるネタ元が欲しいのです。ぜひあなたがそのネタ元になってください。そのためには記者さんと人対人のおつきあいをして信頼関係を構築することが結局近道なのです。

といって別に記者さんとメシを食え、飲みに行けと言っているわけではありません。個人事業主や中小企業にはそんな交際費はありません。私もほとんど記者さんと飲食をともにしたことはありません。行った時もすべて自腹です。社長に「予算はゼロ」と釘を刺されていましたから。

記者さんと信頼関係を構築するのは、飲食ではありません。世のため人のため役に立つ商品サービスを伝えたいという想いです。そしてそのための記者さんの取材活動に対する最大限の協力です。自社商品サービスはもちろん市場・業界・競合資料の準備、トップをはじめとする取材対象者の手配、工場や事務所などの現地取材の段取りなど、やっておくべきこと・やれることはたくさんあります。

もちろん記者さんと飲食して仲良くなることは悪いことではありません。本音の話も少しは聞けるようになります。でも彼らはそもそも先輩たちから「取材先とは友達になるな。厳しいことを書けなくなるから」と言われて育ってきています。勘違いしてはいけません。できる記者ほど公私の区別をしています。あくまで本業である取材で記者さんの役に立たなければ本気で相手にしてくれません。

マスコミは社会の公器です。いくら記者さんと仲良くなっても、ニュースバリューのないネタをムリヤリ載せてもらうことはできません。原則、現場の一記者にもデスクにも部長にも社長にも、くだらないネタを掲載する権限はありません。そんなことをすれば公平公正中立を旨とするマスコミにとっては自殺行為となるからです。

ですからあくまで正々堂々世のため人のため役立つ商品サービスをお伝えし、その取材の段取りを完璧にする、それを真摯に愚直に誠実に継続することによってしか信頼関係は生まれない、そう確信しています。

精神論になってしまいますが、そうやって記者さんと取材を通じて「魂と魂のつかみあい」をする、それをやらなければ、いくら一緒に酒を飲んでメシを食ってもただそれだけのこと、お金のムダ使いで終わってしまう、私はそう思っています。もちろん誘われたら決して断らずおつきあいしてください。世のため人のため役に立つという志についてぜひ青臭く熱く語り合ってください。心の通じ合う、本物の同志になれるかもしれません。

次回に続けます。

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