広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法 28 プレスリリースを届ける超具体的な方法

広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法
28 プレスリリースを届ける超具体的な方法

記者さん・ディレクターさんの個人名が特定できない場合には、通常形式のプレスリリースの方が良いでしょう。特にあなたのネタに興味がないわけですから、簡潔明瞭にニュースバリューを伝えることの方が大切です。それでもできれば訪問して手渡ししましょう。FAXだとカラー写真を見せることもできません。本当のニュースバリューが伝わりにくいと思います。

<訪問>

訪問の方法は簡単です。よほどのネタでなければアポを取ろうとしても取れません。ですからアポ無しで訪問します。私の経験では新聞社の、特に地方支局であればアポ無しでも一応は応対してくれると思います。記者さんが会社にいる確率が高いのは取材が終わって帰社する夕方4時~5時です。その頃を狙って訪問します。応対に出てきた方に「プレスリリースをお持ちしました」と告げてください。その方が記者さんでしたら名刺交換し、記者さんでなければ「どなたか記者さんいらっしゃいますか」と呼び出していただきます。記者さんに「もしお時間ありましたら簡単にご説明させてください」と依頼してみてください。OKなら簡潔にご説明し、NGなら「よろしければご検討ください」と言ってプレスリリースを手渡し引き下がってください。たったこれだけです。初めて行くときはドキドキしますが、記者さんはプレスリリースの持ち込みには慣れていますので、何の問題もありません。とにかく名刺交換をすることがポイントです。

くれぐれもあせってすぐに結果を出そうとしないでください。短期決戦ではなく長期持久戦に持ち込んでください。じわじわ仲良くなっていつのまにかマスコミに何度も掲載されている、そんな状態を目指しましょう。「まずはお友だちから」マスコミの記者さん・ディレクターさんとの関係づくりもそこからです。素敵な女性を口説くのに、いきなり「結婚しよう」という人はいません。まずは「一度お茶でも」から始めますよね?それと同じです。まずは名刺交換してお話するところから始めましょう。

絶対に自分のネタを押し売りしてはいけません。あくまでも「マスコミのお役に立てると思う情報提供をしにきました。もしお役に立たなければ無視していただいてけっこうです」というスタンスで話してください。「営業」ではなく「説明」という方が近いです。「こんなんありますけど、よかったらどうぞ」というニュアンスです。

人間は売り込まれると引きます。反射的に逃げたくなります。だったら売らなければいいということです。淡々と説明してさっさと帰りましょう。私は売り込まなくなってから記者さんに感謝されるようになりました。「わざわざ情報提供しにきてくださって、ありがとうございました。また何かありましたらご遠慮なく情報を送ってください」

以前はこんなときしつこく食い下がって記者さんから蛇蝎のごとく嫌われていたのがウソのようです。とても気分爽快です。ストレスゼロです。無理に買ってもらおうとするからお互いにストレスがたまり、結果的に売れるものも売れなくなるのです。ネタを売り込むのはやめましょう。ネタの価値を客観的に説明するだけにしましょう。

売れないネタにしがみつくのはやめましょう。その代わりどこがダメなのか記者さんに教えてもらいましょう。そしてダメなところを改善し、次のネタに生かしましょう。そしてまた訪問しましょう。そのうち新聞社の中顔と名前が売れてきます。そうなったらこっちのものです。加速度的に記者さんと話しやすくなります。

実は記者さんはいいネタを持ってきてくれる人なら大歓迎してくれます。初対面に近いときは警戒していますが、変な人ではないことがわかって気心が知れてくると本音で話してくれます。

記者さん自身も新入社員でマスコミの世界に入ったとき、先輩から取材相手に「直(じか)あたりしろ」(=直接話を聞け」)と教えられ、、怒鳴られたり水を掛けられたりしながら情報を取ってきています。広報担当者が自分に「直当り」してくることも理解してくれます。むしろFAXを送りつけてきて何のフォローもしてこない、やる気のない広報担当者より好感を持たれると思います。押し売りしてはいけませんが、足を運んで訪問しこちらの本気度を見せておけば確実に印象に残ります。

テレビの場合、最近はセキュリティが厳しくなり、アポが無い限りなかなか内部には入れません。プレスリリースを持参しても受付に預けるしかできません。ディレクターの名前がわからなければ、FAXで良いと思います。カラー写真がポイントなら郵送しましょう。
雑誌もラジオもネットもテレビと同様です。

いまどきなかなかアポ無しで訪問しても取り次いでもらえません。新型コロナウイルスの影響でリアルの取材を制限しているメディアが多くなっています。マスコミの世界でも「ワークライフバランス」「働き方改革」が提唱され、以前のような「直当りして足で稼ぐ取材」は推奨されなくなってきているそうです。

<FAX(メール)>

リアルに会えない場合はまずFAXします。
(メールアドレスがわかっていればメールでもOKです)
FAX(メール)でのアプローチは以下の通りです。

➊FAX(メール)でプレスリリースを送る
➋5分後に「先ほどFAX(メール)お送りしましたが届いているでしょうか?」とフォローの電話をする(メールの場合は個人の携帯に電話する、携帯電話番号がわからなければ会社の固定電話に電話する)
➌「届いている」と言われたら「もしよろしければ簡単にご説明させてください」とお願いしてみる
➍「内容を確認して取材させていただく場合のみ、こちらからご連絡します」と言われる場合が多いので、その場合は「ご検討よろしくお願い致します」と言って潔く引き下がる
➎例外的に「少しくらいならお聞きします」と言っていただけた場合は、1分で簡潔にニュースバリューを説明する
➏➎で興味を示してくれなかった場合は「ご検討よろしくお願い致します」と言って潔く引き下がる
➐➎で興味を示してくれた場合は「一度お伺いしてご説明させてください」とお願いしてアポを取る
➑➐でアポが取れたら訪問する。
➒➐で「内部で検討して取材させていただくことになればまたこちらからご連絡します」と言われた場合は「ご検討よろしくお願い致します」と言って潔く引き下がる

・フォロー電話

FAX(メール)で送った場合は必ず電話でフォローしてください。FAX機(パソコンやネットワーク)のトラブルか何かで届いていない場合もあります。マスコミには大量にプレスリリースがFAX(メール)されてくるので埋もれてしまうこともあります。私も確かに送ったにも関わらず「いつ送ったのですか?見当たりませんので、もう一度送ってください」と言われたことが何度もあります。

話は少し横道にそれますが、大切なことなので書きます。「送ったつもり」「伝えたつもり」「言ったつもり」というのが、コミュニケーションギャップの大きな要因のひとつです。少ししつこいくらい「届いているか」「伝わっているか」「聞いているか」確認してください。
自分のメッセージを確実に「届ける」「伝える」「聞いてもらう」のは、メッセージの送り手側の責任です。決してメッセージの受け手側の責任ではありません。どんなにしつこく「伝えたつもり」でも、受け手側に伝わっていなければ、それは全面的に送り手側の責任です。郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのも伝え手側、すなわちあなたの責任です。

マスコミ出身のPRコンサルタントの中には「プレスリリースを送ったフォローの電話はするな」とおっしゃる方が少なくありません。単なる確認のために電話されるのは迷惑だと言うのです。
一時私もその教えに従って電話するのを控えていました。すると、確かに送っているのに「すみません、見ていません。見落としていました」ということが何度か起こりました。記者さんによっては「遠慮せず確認のお電話くださいね。バタバタして見落としてしまうことがありますので」とおっしゃる方もいました。

それ以来私はどんなに迷惑そうな対応をされても、ここだけは取り上げてくれそう、この情報はこのメディアのお役に立てそう、というターゲットメディアに対しては、必ずフォローの電話をしています。むしろその方が日々ネタを探しているメディアに対して親切だと考えています。実際フォローの電話をすると「わざわざフォローの電話をいただいてありがとうございます、これからも情報提供よろしくお願い致します」と言われることも少なくありません。遠慮なくフォロー電話してください。迷惑そうにされたら即撤退すればそれほど嫌がられることはありません。そこでしつこく食い下がると嫌がられます。「秒」で丁重にお詫びして電話を切ってください。記者さんは忙しいので1分後には嫌な思いをしたことなど忘れています。

<郵送>

FAX(メール)をしても反応が無ければ、郵送してください。手順は「お手紙プレスリリース」のときと同じです。ただ、中味は「便せんに手書き」でなくても、通常形式のプレスリリースでもけっこうです。もちろんここだけは取り上げてくれそう、この情報はこのメディアのお役に立てそう、というターゲットメディアに対しては、お手紙形式のプレスリリースを強く推奨します。記者さんの心を動かすにはその方が効果的です。

次回に続けます。

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