広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法
16 戦略整理シートの作り方(実践編)
「戦略整理シート」は、説明を読んだだけでは、実際に書くのは難しいと思います。実例をご紹介しますので感覚的に掴んでいただきたいと思います。
この「戦略整理シート」を書いたのは、大阪と東京を拠点に活躍する理学療法士の羽原和則さんです。原因不明の慢性腰痛・ひざ痛・肩こりを、関節のひっかかりを元通りにする施術法で、6000人以上完治させてきました。「10秒関節リセット」という本を出版し、そのPRをしたいと相談に来ました。以下はご本人が書かれた「戦略整理シート」です。
➊目的
①「第3の痛み」(注:原因不明の腰痛・ひざ痛・肩こりのこと)があり、その原因を解決する方法(「関節のひっかかりを元に戻す施術法」=「10秒関節リセット」)の普及・啓蒙→
②それにより、(整形外科医の)ムダな薬・注射・手術を無くし、医療費削減に貢献→
③(「10秒関節リセット」を習得する)後進の育成→
④開業権の獲得(現在理学療法士は独立開業できない。制度改革・治療者の数も必要)
ここに書かれているような目的を書きましょう。プレスリリースを送るのはマスコミに載ることが目的ではありません。マスコミに載ることはあくまでも中間的な目標です。その先に本当の目標があるはずです。売上拡大とか、優秀な人材の確保とか、その目的を書きましょう。
➋目標
慢性疼痛患者2315万人(6割が腰痛)
医療費・療養費は毎年1兆円超で推移(6割が整形外科)経済的損失は3兆円以上
この患者・医療費を少しでも減らすことを目標として設定されています。これだと遠大ですので、具体的な期限付き数値目標に落としこみたいところです。いつまでにどこまで達成するのか測定できるようにしましょう。
➌ターゲット
(腰痛やひざ痛に悩む)ゴルファー、(原因が)自律神経(と言われた方)、イップスに苦しむスポーツ選手、腰痛やひざ痛(に悩む一般の方)
できる限り、性別・年代・職業・年収・未既婚・家族構成・住居形態・性格・趣味嗜好・ライフスタイル・関心事・接触メディアなど、具体的に詳しくイメージしてください。メディアを選定するときに参考になります。
➍ターゲットメディア
テレビ・新聞・雑誌(健康・ゴルフ・スポーツ)
テレビはよく見る番組名・コーナー名、新聞も新聞名・よく見る面・雑誌も雑誌名・よく見る特集記事など、できるだけ細かく設定しましょう。
そのためには、よくメディアを研究することが大切です。メディアを知ることが広報PRの第一歩です。朝から晩まで、できるだけ幅広いメディアを視聴しましょう。もちろん1人で1日に視聴できるメディアには物理的に限界がありますので、カバーしきれないメディアはホームページで調査しましょう。編集内容・読者特性・記事番組構成などを探究すれば、貴社の商品サービスターゲットに合うメディアがきっと見つかります。それをピックアップしましょう。
➎記載内容=6W5H
WHO(誰が)
私・羽原和則が
TO WHOM(誰に)
➌のターゲットと同じです。
WHEN(いつ)
この場合、本が既に出版されており、タイミングを設定することができません。そんなときは、タイミングを創り出すのです。何らかの季節イベントや年間イベントにからめるとか、時事的なトレンドに関連づけるとか、マスコミが関心を持ちそうなタイミングを探して設定するのです。たとえば、寒くなると服を着こむので肩こりになるとか、テレワークが続くと同じ姿勢で長時間パソコンに向かうので腰痛になるなど、理由をつけてプレスリリースを出すのです。マスコミの記者さんが納得できる理屈をつけて興味を引くことが大切です。
WHERE(どこで)
東京・グランプロクリニック銀座
大阪・森之宮オフィス
WHAT(何を)
書籍「10秒関節リセット」および「10秒関節リセット」の施術法
1回で原因不明の慢性腰痛・ひざ痛・肩こりを完治させる独自の施術法
これまでに、大相撲の御嶽海関、やリ投げのディーン元気選手、女子ゴルフの福田侑子選手など、6000人の腰痛・ひざ痛・肩こりが1回の施術で完治
HOW(どのように:手段・方法)
関節のひっかかりを元通りに戻す
WHY(なぜ:志・想い)
後述の「ドラマを引き出す5つの質問」で、紹介します。
HOW LONG(期間)
HOW MANY(数量)
HOW MUCH(金額等)
今回は出せる数字がなかったのでパスしました。書けない項目は無理に書く必要はありません。
HOW IN THE FUTURE(今後のビジョン・方針)
後述の「ドラマを引き出す5つの質問」で紹介します。
ドラマを引き出す5つの質問
Q1 あなたは、なぜ、それをするようになったのか?(動機、キッカケ)
Q2 あなたは、今、どんな志・想いで、それをやっているのか?(志、想い)
私は子どもの頃プロ野球選手を目指し、が大阪府立市岡高等学校入学、硬式野球部に入部しました。が、チャンスを頂くも足首の捻挫などのケガや腰・ひざの痛みに悩まされ完全燃焼せずに引退し、プロ野球選手の夢を断念しました。
卒業後の進路を決めるとき、けがで通院していた整形外科医に「理学療法士」という仕事があると教えていただきました。自分と同じように故障で苦しむスポーツ選手のリハビリのお手伝いがしたいと思い、35年前に理学療法士の道を選びました。
Q3 あなたが、失敗したことは何か?どう克服したのか?(失敗)
希望に燃え養成校に入学しましたが最初に講義で「リハビリしても治りません」と聞かされショックを受け落胆の日々が続いた学生生活でした。
ところが、卒業まじかの実習病院で、その医師に即座に痛みを取り去る最新の治療技術を直接伝授していただいて衝撃を受け、「これだ、私の求めているものは。この技術をマスターすれば、痛みで困っている患者やスポーツ選手を治せる」と思い、寝食を忘れて技術の研鑽に取り組みました。
自分の技術が向上したとき、国立病院で手術前の患者を治して退院させ、執刀予定の医師から怒られたこともあり、手術前に治してみたい思いで国立病院を退職し、外来診療のできるクリニックへ勤務。数多くの腰痛、ひざ痛、スポーツ障害の患者の原因を解決し自分の治療技術に確信を持ちました。
Q4 あなたが、成功したことは何か?なぜ成功したのか?(成功)
その効果は、口コミで広がり来院する患者が増え最初のうちは整形外科医も喜びますが、そのうち問題が生じます。
たとえばひざの痛み。整形外科では必ず注射をしますが、それがかえって腫れや痛みの改善を妨げているという事実。経営上?「注射は打たないで」とは言えません。
そんな逆境にも負けず、目の前の患者と向き合って、現在では大相撲の御嶽海関、やり投げのディーン元気など数多くのスポーツ選手のはじめ30年間で6000人の治療実績を積み重ね、日本理学療法士学会、国立病院医学会などの学会で発表もさせていただきました。
Q5 あなたは、その活動で、どんな世の中を実現したいのか?(理想、ビジョン)
看護師の娘に「よいもの、治療技術があっても、困っている人に届けないと意味がない。ないのと同じ。」と言われたことをキッカケに、「病院や民間療法に行くも、痛みは良くならない。そんな人たちが私のところへ治療にやってくる。私は真実を書きたい」との想いから、今年8月、これまでの研究成果をもとに「10秒関節リセット」」という本も出版しました。
経験実績が医師にも認められ、「もっと治療できる療法士を養成しなさい」と言われ、「療法士育成塾」 も開設し、全国の療法士に伝承していくことで、その先にいる痛みに悩んでいる人やスポーツ選手を治療し、不安なく健康で生き生きとしたその人らしい生活を営んで欲しいと思っています。
ここまでドラマチックな方は少ないと思いますが、それでも皆さん一人ひとりに小さなドラマがあると思います。ささやかな想い、ひそやかな失敗・挫折、哀しみと怒り、そして小さな成功、喜びと笑顔、自分なりの夢と希望があると思います。それを書いてください。
➏ニュースバリュー
羽原さんのニュースバリューは何でしょう?もちろん「10秒関節リセット」という施術法の「独自性・希少性」もあるでしょう。2000万人以上いる慢性疼痛患者を救うという「社会性」もあると思います。そして「ドラマ性」マスコミの記者さんの心を動かす条件は揃っています。
➐プレスリリース後、目的達成する手段
有名スポーツ選手など、著名人で慢性疼痛に苦しむ方を完治させるなどの事例を蓄積するとともに、事例を交えた情報発信を強化継続します。具体的には、YOUTUBEやオンラインセミナーを実施し、ランディングページへの問合せを増加させ、患者を救っていきます。著名人の事例をマスコミで紹介することにより、独自の施術法を世の中に普及浸透させ、、この施術を学びたいという後進を育成し、慢性疼痛患者を着実に減少させるしくみを完成させていくことを考えています。
このように目的・目標を常に念頭に置き、マスコミを味方にして目的・目標を達成する具体的な作戦を必ず立てておいてください。
前もって考えておかないと、一時のブームで終わってしまいますので、くれぐれもご注意ください。
次回に続けます。
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