広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法
17 プレスリリースの書き方(実践編)
いざ実際にプレスリリースを書こうとすると、どう書けばいいのか自信が持てないと思います。やはり「戦略整理シート」のときと同様に、具体的な実例をご覧いただきながら解説した方が分かりやすいと思います。再度、理学療法士の羽原和則さんに登場していただきます。
(実際に羽原さんが書いたプレスリリース)
➊レターヘッド
羽原さんの会社のロゴマークです。
➋配信宛先
一般的な「報道関係者各位」としています
➌配信日付
配信した日付です。
➍配信元
羽原さんの会社の社名とホームページのURLです。
➎タイトル
テレワーク拡大・冬の寒さで悪化のおそれ
慢性的な腰痛を即座に根本的に取り除く治療法が話題
大相撲の御嶽海など約6000人を、理学療法士が完治
一番目につく文頭に「テレワーク」というトレンドキーワード、「冬の」寒さ」という季節性キーワードを記載、記者さんの目を引くことを狙いました。
「慢性的な腰痛を即座に根本的に取り除く」治療法」という文言で、何の話で、どこにニュース性があるのか、端的に表現しました。
「意外性・希少性・独自性」が感じられると思います。
「大相撲の御嶽海」という著名人の名前を出し、注目度を高めています。
ここまで主語が抜けていましたので、ここに「理学療法士が」という主語を掲載しました。続けて「6000人を完治」と客観的な事実に基づく証拠を明記し信頼性を高めています。
➏写真・図表等ビジュアル
人物の顔をできる限り掲載してください。
人間は人間に興味があるので、注目度が高まるとされています。著名人の写真掲載がOKであればぜひ掲載してください。(肖像権の問題がありますのでくれぐれもご本人の了解を得てください)
➐リード
➑本文(独自の提供価値)
理学療法士の羽原和則(はばら・かずのり)は、テレワークで悪化する原因不明の痛み(腰痛・肩こりなど)を、真の痛みの原因である「関節のひっかかり」を正す技術により、1回で痛みを即座に根本的に取り除いています。今、羽原本人がこの技術を紹介した「10秒関節リセット」という本を読んで治療を受け完治した人が続出し、クチコミで話題が広がっています。
既に本は発売されているので、5W1Hを
すべて網羅できませんが、WHO、WHAT、、HOWは記載しています。なお、この例のように、➐リードと➑本文(独自の提供価値)が明確に分かれていない場合もあります。必ずしもひな型を厳格に忠実に守る必要はありません。
➒本文(商品概要・企画概要)
現在までに30年で約6,000人の治療実績があり、その中には大相撲の御嶽海(治療の翌場所に優勝)、アテネ五輪体操金の冨田選手、元ダイエーホークスの篠原投手、やり投げのディーン元気、女子ゴルフの福田祐子選手など有名スポーツ選手が数多く含まれています。この技術と成果については、日本理学療法士学会、国立病院医学会、関節ファシリテーション学会での発表も行い、2019年には、理学療法士約3,000人の中から年間1名のみ選ばれる「SJF賞」を受賞しました。
厳密に言えば、➒本文(商品概要・企画概要)とは言えませんが、➑本文(独自の提供価値)に続いて、商品サービスについて詳しく説明している部分です。ここでは、客観的な事実で商品サービスの良さを証明する根拠を記述しています。
➓本文(背景・社会的課題・志・想い)
慢性の痛みを抱える患者は2315万人と言われており、整形外科を始め整骨院、マッサージ、針灸、カイロプラクティックなどの民間療法を試しています。
ところが、痛みの本当の原因である「関節のひっかかり」にアプローチしていないため、いたずら時間とお金を使うばかりで、根本的な痛みの解消ができていないという現実があります。
それどころか、場合によっては、不必要な注射や手術を行ってかえって症状を悪化させたり、
「百害あって一利なし」の治療で自律神経失調症やイップスになったりすることすらあります。
商品サービスを提供するに至った背景・社会的課題を説明しています。この部分があることにより、このプレスリリースは単なる自社の儲けのためだけの商品サービスの売込チラシ「広告」ではなくなります。世の中の役に立つ「情報提供」という大義名分を獲得することができるのです。記者さんは初めてここでこのプレスリリースを真剣に検討するようになるのです。
⓫本文(失敗・苦労話・克服要因)
羽原和則は、子どもの頃プロ野球選手を目指していたがケガや痛みで断念し、自分と同じように故障で苦しむスポーツ選手のリハビリをお手伝いしたいと思い、理学療法士の道を志しました。そして、養成学校の実習で、即座に痛みを取り去る最新の治療技術を直接伝授されて衝撃を受け、「この技術をマスターすれば、痛みで困っている患者やスポーツ選手を治せる」と思い、寝食を忘れてこの技術の研鑽に取り組みました。
⓬本文(成功・課題の解決・成功要因)
自分の技術が向上したとき、国立病院で手術前の患者を治して退院させ、執刀予定の医師から怒られたことが引き金となって、手術前に痛みを治したい思いで国立病院を退職し、外来診療のできるクリニックへ勤務しました。そして、数多くの腰痛、ひざ痛、スポーツ障害の患者の原因を解決し自分の治療技術に確信を持つようになりました。その効果は、口コミで広がり来院する患者が増えてくるようになりました。
⓭本文(理想・ビジョン・今後の方針)
ただし、人伝えのクチコミでは限界があります。そんな時、看護師の娘に「よい治療技術があっても、困っている人に届けないとないのと同じ」と言われました。これをキッカケに「病院や民間療法に行っても痛みは良くならない。そんな人たちが私のところへ治療にやってくる。私はこの治療技術を伝えて、少しでも痛みに悩んでいる人を助けたい」との想いから、今年8月、これまでの研究成果をもとに「10秒関節リセット」」という本を出版しました。
一方、これまでも1,500人以上にこの技術を教えてきましたが、経験実績が医師にも認められ、「もっと治療できる療法士を養成しなさい」と言われ、「療法士育成塾」 も開設しました。これからは、全国の療法士にこの治療技術を伝承していくことで、その先にいる痛みに悩んでいる人やスポーツ選手を治療し、不安なく健康で生き生きとしたその人らしい生活を営んで欲しいと願っています。
⓫⓬⓭を読まれていかがでしょうか?
記者さんが必ず聞く次の質問
「あなたはなぜそれをやるのか」
「あなたはそれを通じてどんな世の中を実現しようと思っているのか」
この質問の回答がすべてつまっているのではないでしょうか?
⓮問合せ窓口
会社名、住所、電話番号、携帯電話番号、
メールアドレス、ホームページのアドレス、YOUTUBEチャンネルのURL、活動拠点の住所を書いています。
他にLINE公式アカウントやFACEBOOK、INSTAGRAMやTWITTERなど、SNSのアカウントURLを記載するのも良いと思います。ターゲットに合わせて取捨選択して掲載してください。
⓯会社概要
この方は個人事業主なので会社概要については割り切って記載していません。個人の場合は、プロフィール(資格や特技、免許など)や各種実績(セミナーや研修、受賞歴など)を記入し、専門性・権威性・信頼性を印象付けてください。
とにかく、マスコミは変な人とは付き合いたくないのです。一皮むけば自社の儲け第一主義で自分勝手な商品サービスの売込のことしか考えていない連中とは関わり合いになりたくないのです。良識ある大人と付き合いたいのです。
もちろんこの本を読んでいるあなたはそんな方ではありませんので、そのことを分かってもらえるような客観的事実をここに明記してください。
次回に続けます。
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