広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法 18 プレスリリースは日本語で書け

広告宣伝費ゼロでマスコミに載る広報マーケティングの方法

18 プレスリリースは日本語で書け

 あるとき、新聞記者さんに言われました。「ひどいプレスリリースが多い。読む気にならない。日本語になっていない。何が言いたいのかわからない。あ、中島さんは大丈夫、読みやすいから」

 またあるとき、もとテレビ局のディレクターさんに言われました。
「プレスリリースの9割は即ゴミ箱ですね。右から左です。ほとんどのプレスリリースはゴミです」
 私がある人のプレスリリースの原稿チェックを依頼されたときも、思いました。

 日本人の日本語力はここまで劣化してきているんだ。 誤字脱字は当たり前。漢字が書けない。送り仮名が変。文章の構成がおかしい。話が途中から漂流し、どこへたどりつくのかわからない。何が言いたいのかわからない。

 新聞も読んでいないんだろうなあ。もちろん本も読んでいない。文章を書いたこともない。もっと言うと、まともにものを考えたことがあるのだろうか?まともにものを考えたことがなければ当然書くことはできない。考えたことを書くのだから。

 書くことは考えること。考えることは書くこと。考えないとものは書けないし、書かないと考えるようにならない。書くことによってものを考えるようになる、考える力がつく。これがあきれるほど、できていない。まず、これを練習することです。日本語力をつけましょう。
 そのためには、いい文章をたくさん読むことです。新聞がいいでしょう。新聞に載せてほしいんですから。電子版でもいいですよ。

 新聞記者さんはそもそも活字好きの方が多いのです。新聞記者になろうなんて思う人なんですから当然ですね。そんな活字好きの人が入社早々、先輩から文章術を徹底的に叩きこまれるわけです。自分の書いた文章が原型をとどめないくらいボロボロにされるわけです。そうやって鍛えられていくわけです。自分は多少文章が書けると思っていた人だけに、プライドはズタズタです(あ、新聞記者ではありませんが、私も似たような経験があります・・・)

 そんな人が、日本語になっていない、ひどいプレスリリースを見たらどう思うでしょう?しかも、その内容がニュースとは言えない、単なる自分勝手な売り込みだったとしたら?

「顔洗って出直してこい」

 私なら、そう言います。 
 日本語を正しく書きましょう。具体的な書き方は④をご覧ください。

④文章作成の技術
・まず粗く最後まで書きましょう。1割から2割多めに書き、後で削っていきましょう。そのためには事前に材料・事実を収集しまくることです。ニュースとは事実を伝えるものです。必要な勉強をしっかりしておきましょう。

・途中でつまづいたらそこは飛ばしてとりあえず全体をつくりましょう。

・プレスリリースはいわばビジネスレターです。「ですます調」が基本です。マスコミの記者さんが相手だからといって、「ございます」などの馬鹿丁寧は表現は不要です。記者さんは多忙なのでむしろ有害かもしれません。

・読み手であるマスコミの記者さんを常に意識しましょう。何をどのように書けば記者さんは振り向いてくれるのか、絶えず考え続けてください。

・見やすく、読みやすく、分かりやすい文章。簡潔で平明な文章を心掛けてください。小学5年生が読んですぐわかることを目指してください。それには親しみがありよく使う言葉を選び正確に使うことです。ひとりよがりの新奇な言葉を造ったりしないようにしてください。

・うまく書こうとする必要はありません。相手に伝わるように書きましょう。すらすら読めなければ途中で捨てられます。

・正確に書きましょう。名前、数字、事実関係、すべて正確でなければニュースではありません。これは信頼できるという数字、この人は信頼できるという人の言葉、だけ使ってください。

・あまり一般的ではない専門用語の使用は避けてください。使う場合は必ず注釈を入れるようにします。知識ゼロの人に一から説明するつもりで書いてください。

・一般的に使わない外国語を使用しないことです。やむを得ず使う場合は、丸かっこして訳語か説明を付けてください。
(例)「リリース」「ローンチ」

・略語、略称は一般的に浸透したものを除いて最初から使わず、略さない言葉を必ず付記してください。
(例)「サブスク(サブスクリプション)」

・記者さんが調べないと分からないような言葉は使わないことです。

・手垢のついた表現は使わないでください。
(例)「手垢のついた」も「手垢のついた表現」

・重複表現を使ってはいけません。
(例)「従来から」

・二重否定など回りくどい表現はやめましょう。
(例)「なきにしもあらず」

・同じ言葉を何度も使ってはいけません。類語に言い換えて使うようにしてください。

・不要な接続詞はできるだけ省略します。
(例)「なお」「また」「そして」「一方」

・受動態はやめ、能動態を使用します。「と考えられる」「と思われる」などは使いません。

・1文の文字数は多くてもできれば40文字までにしてください。いくら長くても60文字以内におさめてください。文章が長くなってしまったら、必ず2つ以上に分割してください。

・漢字は30%以内とし、ひらがな・カタカナをまぜてください。格段に読みやすくなります。「我々」「従って」「事」「時」などは、原則ひらがなで書いてください。

・主語と述語はなるべく近づけてください。

・形容詞や副詞は、その係る言葉のすぐ前に持ってきます。

・曖昧な表現、形容詞を使わないようにしてください。「高品質」「低価格」「おいしい」など、形容詞は人によって基準が違います。
・「~的」とか「~性」という言葉は極力使わないでください。

・具体的な数字や客観的な事象など、徹底的に事実(ファクト)で根拠を語るようにしてください。
(例)客観的なデータ・アンケート調査結果・研究成果など

・関係者の「現場」の「生の声」を入れることも効果的です。説得力が増します。その人のありのままの言葉、この人にしか言えない言葉、本物の肉声、がベストです。

・適宜改行、段落分けし見やすくします。余白が無いと読む気になってもらえません。途中で脱落してしまいます。

・箇条書きを活用し読みやすくしましょう。

・各段落に「小見出し」をつけるのも、どこに何が書いてあるか分かりやすくなり。良い方法です。

・美辞麗句や感嘆詞(!、?)は不要です。記者さんは誇大表現に飽き飽きしています。

・「想い」は、自分の気持ちの入った自分の言葉で書きましょう。

・文字は9~12ポイントにしてください。11ポイントを推奨します。文字が小さいと新聞社やテレビ局の決定権者は老眼の人が多いので読めません。かといって大きすぎるとと間抜けな印象になります。

・文字は、大きめ・濃いめで記載します。
FAXで送ることが多いので、白黒コピーでも読みやすいようにしておくのです。

・日本語を正確に書きましょう。漢字のミス・送り仮名のミスは致命的だと思ってください。今すぐ共同通信社の「記者ハンドブック」か、朝日新聞社の「用語の手引き」)を買ってチェックしてください。

□校正
・一晩寝かせてから、誤字脱字含めて校正しましょう。

・音読してみましょう。リズムが悪いところや、えいやと書いてしまったところは必ずつまります。そこを修正しましょう。

・自分で自分にツッコミを入れましょう。

・できればダブルチェック・トリプルチェックします。

次回に続けます。

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