汚い字のハガキ(ハガキ作戦)
汚い字でハガキを書け!ということではありません。もちろん、字はできるだけきれいに書いた方が見やすく、読みやすく、分かりやすいに決まっています。ただ、一生懸命きれいに草書体で書こうとして、結果的に、「十分読めるけど、下手だなあ」となってしまうのはこれはもうどうしようもありません。30年前の広告代理店営業時代、そうやって書いた手紙のお客様が、私のことを今でも「汚い字のハガキを書いて寄こしてきたヤツ」として覚えておられ、いまだにお付き合いしてくださっています。
このハガキをマスコミの方と初めてお会いした初対面の日、できればお会いした直後に書いてください。内容は何でもけっこうです。無難なのは、「本日はご縁をいただきありがとうございました。今後とも引き続き宜しくお願い申し上げます」という2行です。中味の無いことをズラズラと書くより、短い方がいいくらいです。ただし、
万年筆の自筆で、相手の方を心から思いながら書くことが大切です。今時そんな手紙を書いてくるヤツはいませんから、絶対に一発で覚えていただけます。
実は、これは何もマスコミとの人脈構築に限ったことではありません。人間関係全般に言えることだと思います。恥ずかしながら、私自身、完璧にできているとは到底言えませんが・・・あ、そうそう、あと、ハガキを投函した日付も忘れずに。ぜひ、お会いした日付とともに、しっかりと覚えていただきましょう。
嵐の日の訪問(対面作戦)
これまた、マスコミの方との関係構築に限りませんが、前述の「アポなし突撃訪問」の時に使える方法です。「あざといやり方なので抵抗がある」という方は、無理にやっていただく必要は全くありません。
そもそもこれも広告代理店の営業時代、新規得意先に通っていた頃のことです。前回訪問から2週間経過し、そろそろ顔を出しておかないといけないと思っていた時期でした。毎水曜日の朝出てくる資料をもとにその日の営業商品を決め、アポなし突撃訪問を繰り返していたのですが、
その水曜日は朝から土砂降りの雨でした。私は思わず「チャンスだ!」と叫びました。こんな大嵐の中を得意先に行く馬鹿は私くらいしかいません。得意先のキーマンを独占できるビッグチャンスです。
私は喜び勇んで出かけました。案の定、私のスーツの上着はベチャベチャ、国道を走るトラックが跳ねた泥のおかげでズボンはドロドロ、悲惨な状態になりました。私は内心、いいぞいいぞ、これで間違いなくお客様の同情を買える!得意先に着くと予想通り、いつもやさしく応対してくれる受付の女性がいつも以上にやさしく、大丈夫ですか?と心配してくれました!幸先いいぞ!と思ったその瞬間、キーマンが嵐のため休んでいることがわかりました・・・・・というわけで、その日キーマンを独占する計画はまさに水の泡となってしまいました。
後日そのキーマンからは「聞いたぞ、アホやなあ、そんな嵐の中来るなんて。もっと違うところで頑張れよ」・・そうおっしゃいながら、キーマンと私の距離が一つ近くなったことは間違いなく、その後しばらくして初受注に成功しました。
何が言いたい?「あなたの熱意を形に表してください」ということです。
心の中でいくら「この商品の情報はきっとマスコミの方にとって取り上げたくなる、お役に立つ情報だ、この情報をぜひともお届けして、マスコミの方のお役に立ちたい」と熱く思っていたとしても、マスコミの方が見えるような形でお見せしないと、いわゆる「闇夜のウインク」にしかならず、誰にも気づかれることはないのです。
情報が氾濫している時代です。
どんなに良い商品、どんなに良い会社でも、控え目に、誰かが見つけてくれるのを待っているだけでは、日が暮れてしまいます。
あなたの短い人生もあっという間に終わってしまいます。
嵐の日に出かけましょう。マスコミの方々は社会的意義のある、タイムリーな、他にはない情報を求めています。あなたの商品が、あなたの会社が、そんな情報を提供しましょう。
A新聞の記者さんは、嵐の日、ちょうどお時間が空いていたらしく、1時間以上私の話に付き合ってくださいました。そして、読者プレゼント欄ならということで、初めて掲載をしてくださいました。気持ちはいつか必ず通じます。あなたが自分自身をあきらめてはいけません。あなたは、あなたの最大の味方になってあげてください。
とことん尽くす(全面的協力)
マスコミの方の便宜を図りましょう。自社商品や会社のことをプレスリリースに書くときは、ライバル商品やライバル会社のことも調べておきましょう。あるいは業界のことも調べておきましょう。専門用語を使うなら、そのわかりやすい解説を付けておきましょう。
ムダな手間をおかけしないようにしましょう。公的な調査やデータがあるならそれも出所とともに付記しておきましょう。
マスコミの方からのお問合せには、真摯に、確実に、スピーディにお答えしましょう。いい加減な返事はせず、必ず関係者に確認しましょう。
広報PRの世界に朝も夜もありません。翌日の朝刊の裏取りで夜9時、10時に電話がかかってきても、決してぞんざいな対応をしてはいけません。
あなたは会社の代表です。会社の顔です。あなたの一挙手一投足をマスコミは見ています。とことんマスコミの方に協力してください。
彼らも夜9時、10時まで働いているのです。とことん真実を追求するプロなのです。あなたも広報のプロなら嫌な顔一つせず、当然のように対応してください。土日も関係ありません。あなたは広報PRのプロなのですから。そしてプロの仕事人はプロの仕事人を信頼します。マスコミの方に信頼していただけたら、あなたの仕事はぐっとラクになります。門前払いがなくなります。
あなたが提供した情報を必ず見てくれるようになります。そうすれば、掲載確率は飛躍的に高まるはずです。
ただし、一朝一夕にそんな関係は構築できません。普通の人間関係と一緒です。すぐにくっついた者同士はすぐに離れます。徐々に徐々に地道に信頼を築き上げていくしかないのです。3か月かかるか、半年かかるか、1年かかるか、・・・・それが待てない人は、毎回一からの構築になってしまいます。焦ってはいけません。お付き合いして結婚しようというのですから、時間はかかります。それでなくても先方は高嶺の花です。常にそばにいてお役に立つこと、そうすれば必ずチャンスは巡ってきます。
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